イヌにも老化現象が訪れます

近年、ますます高齢化しているわたしたちの生活。そして平均寿命も延びています。平均すると男性で78歳、女性で84歳です。 それにつられて、イヌの寿命も驚くほど長くなりました。ここ数年ではさらに、寿命といわれていた年齢をはるかに超えて、元気な 高齢のイヌが増えています。高齢化の要因として、ジステンバーやパルボウィルスのワクチン注射、フィラリア症の予防薬など、獣医療の 技術の発達が挙げられます。飼い主のイヌに対する意識の向上に伴い、居心地の良い室内で過ごすイヌが増えるなど、飼い主の住環境や食生活 の向上も大きな要因でしょう。高齢化の波は、人間だけでなく、イヌの世界にも急速に押し寄せています。イヌは人間と同じように歳をとりますが、 そのスピードが全然違います。なんと人間の約4倍の速さで生きているといわれています。つまり、イヌの一年は、私たちにとっての四年に相当するのです。 これを「ドッグ・イヤー」といいます。イヌの犬種やからだの大きさなどによって「老化現象」の始まりは変ります。通常、小・中型犬で八歳くらいから、 大型犬の場合は五歳を過ぎたあたりから、聴覚・視覚・嗅覚の順で各機能の低下が見られ、徐々に老化が始まるといわれています。そうして現れた老化は、 疾患、ストレス、栄養不良、運動不足、遺伝、環境などの因子によって助長されるといわれています。

犬種の病気、老化の関係性

イヌにはそれぞれの育ちや犬種ごとの身体的な特徴、性格などによって、罹りやすい病気や身体的トラブルがあります。「心臓病」の発生頻度は、 メスよりもオスの方が高いというデータがあります。なかでもプードル・シュナウザー・チワワ・ドーベルマンピンシャー・フォックステリア・ ボストンテリア・キャバリアなどが心臓病に罹りやすい犬種として挙げられます。また「椎間板ヘルニア」は、ダックスフンド・ウエルシュ・ コーギーなどの軟骨異栄養症性品質やシーズ・ペキニーズ・パグなどによく発生する病気です。

老化については、イヌの持つ因子が関係しているといわれています。たとえば、セントバーナードやアイリッシュウルハウンドといった大型犬の平均寿命は 約6.5歳で、老化現象も早く訪れます。研究によれば、小型犬のほうが大型犬に比べて長生きする傾向があるということです。このように、イヌの大きさや 犬種に合った健康管理がイヌの長寿にも大きく関係しているといえます。いくら飼い主が「うちのコは生まれつきに健康で医者要らずなのよ」と思っても、 「老い」は必ず訪れます。一般に高齢になると、感染に対する抵抗力が弱ってきたり、消化機能や循環機能が低下したりします。目や鼻などの感覚器官も、 若いころのようには働かなくなります。

イヌは人間に比べて、痛みに対して我慢強い性格があるので、関節の痛みなど老化によるカラダの変化や不都合を表情に現さず、じっと我慢します。 つい油断してると取り返しのつかないことにもなりかねません。愛犬が7〜9歳になったら、愛犬の様子により気を配るように心がけましょう。 そのことが、愛犬の生活の質を向上させ、健康で長生きさせることにつながるのです。

老化のサインと対処法

イヌは目つき、顔つき、耳の角度、毛のツヤ、尻尾の振り、鳴き声などで感情表現をします。その一つひとつが、ボディーランゲージとして 意味を持っています。急激な「肥満」は万病の元!健康に大きな支障をもたらします。高齢になってからの体重の増加は、足腰への負担となります。 他にも心臓への負担や運動不足からくる「糖尿病」などのリスクも増えます。高齢になると歩き方がおかしくなってきます。原因のひとつに「老年性白内障」 が挙げられます。瞳孔の中が白く濁ったようになり、進行すると、視力が低下して段差でつまずいたり、階段を上がる事を怖がるようになります。 元々イヌの視力は、人間ほど良くありません。見える色はモノクロで視野も狭いのです。万が一、失明しても聴覚や嗅覚などの感覚に優れたイヌは、 視力に依存する事がないので、飼い主の愛情と心遣いがあれば、住み慣れた家の中での生活に不便を感じることはほとんどありません。しかし、それゆえに 愛犬の目の老化に気づくのが遅れがちになるので注意しましょう。ほかにも歯周病や椎間板ヘルニア、変形性脊椎症などもあります。

目に見えない体内の変化もはじまります。老齢化したイヌの内臓には、消化機能が低下するなどの変化が現れます。胃液や胆汁、膵液など消化液の分泌量も少なくなるので 一回にたくさんの量を消化して栄養を吸収できなくなります。老犬がたくさん食べる割に太らない原因のひとつでもあります。長い間、消化不良の状態が続くと、全身の栄養状態が悪くなり 老化を早める危険性も!ゴハンの際には、材料を軽く煮込んでペースト状にしたりすると消化しやすくなります。他にもゴハンの量を少なめにして、回数を増やすなどの工夫も必要です。

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